コロナ禍にカナダ戻ったので、ハリファックスの状況をお伝えします


皆さまこんにちは。りおです。
まだまだ気の抜けないコロナ禍ではありますが、いかがお過ごしでしょうか。

今回はハリファックスに来て早2か月になる私の経験をもとに、ノバスコシア州におけるコロナ事情をお伝えできればと思います。
あくまで私が感じたこと、という視点なので、正確な情報はカナダ政府や在モントリオール総領事館のページなどをご参照ください。
それではさっそくいってみましょう!

カナダに戻る前の日本の状況

ハリファックスのことをお話しする前に、まずは前提として私が日本にいたときの状況から振り返りたいと思います。
5~6月くらいに大学が秋からの対面授業を正式に決定して、そこからカナダに戻る準備をしよう!となったわけですが、その頃の私は「いやカナダに戻るなんて絶対無理でしょ」って思ってました笑
当時の日本はいわゆる「下げ止まり」現象の真っただ中で、緊急事態宣言~まん延防止~また緊急事態宣言~の繰り返し。テレビやネットを見れば遊びに出かける人々やテレワークができないために仕方なく満員電車に乗る人たちが延々と映し出され、「いやコロナなんて終わらなくね?」というあきらめ感が強かったな、という記憶があります。


7月になり、その憂いはより深刻なものになりました。オリンピック開催直前あたりから急激に感染者数が拡大し、日本は完全なカオス状態に突入しました。
8月になり出発が近づいても、例の悪名高きデルタ株の猛威はとどまるところを知らず。
この頃は家でもマスクを着用し、毎日自宅のスイッチやテーブル、リモコンを自家製の次亜塩素酸で消毒してました。お出かけなんて当然もってのほか。出発のために必要なPCR検査を受けるときなど、やむを得ず外出する際はKF94マスクをつけていました。

いざ、カナダ入国

すったもんだの末、なんとか準備も完了し、8月の終わりにカナダへと旅立ちました。
(余談ですが、今回は「生きていればどうにでもなる」精神か、荷物がいつもより格段に少なかったです。いつもは持っていく日本のシャンプーや文庫本も迷わず置いていきました。)

フライト中も、乗り継ぎ便を待っている間も、常にKF94マスクを着用していたものの、周りには人・人・人。
びっくりしたのがバンクーバーの空港でビザの発行を待っていた時、混んでいたので間をあけず座るように言われたことですね。
私の少し前で待っていた人が、
「Excuse me, aren't we supposed to practice social distancing? (ソーシャルディスタンスはどうなったんだ?)」と職員に尋ねると、
「Sorry, we don't do social distancing here. (そんなもんはここではやらん)」
と言うわけですよ。
いや仮にも不特定多数の人が出入りする空港で働いている人間がそれ言っちゃダメでしょ… コロナ舐めてんのか? と思い、少しぞっとしたのを覚えています。家族の不安そうな顔が思い浮かび、コロナ禍にカナダ戻るんじゃなかった、とちらりと思ったのも事実です。

ハリファックス到着

到着後、空港からタクシーに乗り、無事シェアハウスに到着。
いくらハリファックスは安全とはいえ、(当時は新規感染者が1日ひと桁台、ゼロ人の日もあった)他人同士が共同生活を送るシェアハウス。さすがにみんなマスクしてるんだろうな、と思いつつドアを開けると…

「Hi!」

そこに立っていたのはラフな服装のルームメイト。
(満面の笑み。白い歯を見せてにかっと笑う。歯磨き粉のCMみたいだな。)
あれ?
白い歯?
そうです、ここで私は久々に見たわけです。
マスクをしていない、家族以外の人間の顔を。
正直、奇妙な違和感がありました。なんといえばいいのか、日本語吹替がマッチしてない洋画を観ている感じ、というか。

その後、オーナー(兼ルームメイト)とも対面。
バス停やスーパーマーケットの場所などを見せるために軽く歩こう、と言われました。

そうか。外に出るのか。それならマスクだな。さすがにKF94はいらないけど普通のマスクでいいかな。
ここのことはわからないが、海外はお願いベースの日本と違っていろいろ強制力が強いと聞いているし、と思いつつ「じゃあマスク取ってきますね」と言うとその人が一言。

マスクなんてここの人はしないよ。別にしたきゃすればいいけどね

なんだと?? 冗談か? (実際このオーナーは真面目なのか不真面目なのか、冗談をいうたびに「just joking」っていちいち律儀に言ってるな、というのが第一印象でした)
一応日常使い用のマスクを手に外に出てみると、不織布はおろか当時あれだけ日本で誹謗中傷の種になってた布マスクすら誰もしていない。
もしかして…ここはポストコロナの時代を生きている?

その考えはハリファックス到着翌日、日本人仲間と久しぶりに集まってハーバーフロントに行ったときに確信に変わりました。(日本でかなりナーバスになっていた私にとって、お出かけなんて本当に久しぶりでした)
ちょっと開けたところで、海を見ながら市民のおじさんが楽器を奏でている。そしてそのまわりで小さな輪を作り、顔いっぱいに幸福な笑顔を浮かべる老若男女。日本ほど強くないけど、穏やかに感じる潮のにおい。
あ、みんな表情が明るい。
と、まず感じました。
カナダに戻って本当に良かったと、その光景を見て、はじめて思いました。

大学がはじまってから

9月、1年ぶりに対面授業がはじまりました。
大学では、教室にいるときはマスクをつけ、外に出たら外していいという決まりなのですが、ここに来て驚いたのがみんな外に出たとたん速攻でマスクを外す、ということ。
とにかくドアを開けて一歩出た瞬間「ふーーっ」と、まるで長年の刑期を勤め上げた人のごとく大げさにマスクを取ります。
たまに外でもマスクを着けている人もいますが、こちらの人は良くも悪くも他人のやってることに無頓着ということもあってかお互いあんまり気にしません。
日本はコロナ前からマスクを着ける文化があったためか、仮に人通りが少ないところだったとしてもマスクをつけていないとどこからか他人の視線を感じますよね(逆にマスクをしていさえいれば満員電車も行列も平気だったりする)。他人のふるまいに厳しいのと同時に、自分も世間の目を気にしがち。
私はいまだに日本の感覚が抜けないので、ぼんやり歩いていて「そっか外していいんだ」ってよくなります笑

あと、こちらのほうが日本と比べると段違いに安心感がある、というのは確かです。
外食も行きましたし、カラオケもやりました!(日本にいたときのことを振り返ると信じられません笑)

とはいえ、まだまだ完全にゼロにはなっていません。
大学内でも陽性者は少なからず出ていますし、対面とオンラインを交互に使い分けながらの授業という感じで、フルでの対面はまだ時間がかかりそうです。
また、最近からレストランなどに入店する際はワクチン接種証明書とIDの提示が義務付けられるようになりました。

中にはワクチンパスポートに反対している人もいて、たまに在モントリオール総領事館から「モントリオールでワクチンパスポート反対のデモが予定されています」というメールがくることがあります。
ハリファックスでそのようなデモがあったという話は聞きませんが、それでもワクチンに関してはみんな少なからず敏感で、「あのぉ…ワクチンって打ってる?」とつい遠慮がちに聞いてしまいます。

まだ長い闘いにはなりそうですが、秋に多数の留学生がカナダに戻ってから少しの感染者の増加を経て、一つの大きな山は越えたかな、という感じです。
これはあくまで私の印象ですが、小さい州ということも手伝ってか、あんまり追い詰められてる雰囲気はないですね。少し危機感が足りないかな、と思うときもありますが、ただでさえストレスがたまりがちな大学生活、皆がギスギスしていないというのはありがたいです!

エピローグ

いかがでしたでしょうか?
パンデミックがはじまって1年半、日本とカナダで差はあれど、一進一退の攻防を繰り返しているという点では同じですね。
この記事では自分の経験というか感じたことをつらつらと綴ってみたわけですが、長引くパンデミックに尾を引いたストレスでがんじがらめになりやすい中で、少しでも「ああこういう視点もあるのか」と思っていただけていたら幸いです。

というわけで、今回はこの辺で。皆さまもどうかお身体を大切になさってくださいね。
お読みいただきありがとうございました。
Have a great day, and see you next time! 






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